回る棒をゆるめる。同じ「速さ」でも意味がちがう
動作確認日: 2026年9月9日(Roblox Studio 0.736)
連載「アスレチック(オビー)を作ろう」の第12回です。第1回から読む
前回で動く床に運んでもらえるようになりました。
その先に、丸い床の上で棒が回っている場所があります。
これまでとちがいます
いままでの相手は「速すぎて乗れない」ものでした。落ちても、また登ればよかっただけです。
この棒はちがいます。さわるとやられます。

道順はもう知っています
第9回の回る床と、同じ道順でたどれます。
- 停止する
- 回っている棒をクリックして選ぶ
- エクスプローラで ▶ を開く
- 出てきた Script をダブルクリック

5行目を見てください。
local speed = 160 -- 1秒間に回る角度
speed が速さです。前と同じように、数字1つで決まっています。
でも、中身は別のものです
ここで、よく見てほしいことがあります。
回る床のスクリプトとは、まったく別物です。書いた形もちがいますし、名前も小さい文字の speed です。
そして、いちばん大事なちがいはここです。
| 回る床(第9回) | 回る棒(今回) | |
|---|---|---|
| 名前 | SPEED | speed |
| もとの数字 | 50 | 160 |
| 数字の意味 | 1回で回す角度 | 1秒間に回る角度 |
単位がちがいます。
「1回で回す角度」は、第10回のパラパラ漫画の1コマぶんでした。1秒に50回まわってくるので、50なら1秒で2500度も回ります。
いっぽう「1秒間に回る角度」は、1秒でこれだけという意味です。160なら、1秒で160度。
つまり——
160のほうが、50よりずっとゆっくりなのです。
数字だけ見くらべても、何も分かりません。その数字が何の数字なのかを、先に確かめる。 これはプログラムを読むときの基本です。
では、なぜ危ないのか
回る床より遅いのに、こちらのほうがずっと怖い。理由は速さではありません。
スクリプトの上のほうに、こう書いてあります。
-- 棒に当たったら死亡
さわった瞬間にやられる、という部分です。回る床は、乗りそこねても落ちるだけでした。
棒は当たったら終わりです。 だから、ゆっくりでも近づけません。
ここは今日はさわりません。「そういうことが書いてある」と分かれば十分です。
10にしてみる
160 を 10 に書きかえてください。

棒は2つあります。 エクスプローラに 回る障害物 が2つ並んでいるので、両方やってください。
再生して、当たらずに通れるか確かめましょう。

ぶつからずに向こうへ行けたら成功です。
10は、ほとんど止まっています
1回転は360度です。「1秒間に回る角度」が分かっているので、1回転にかかる時間が計算できます。
| speed | 1回転にかかる時間 |
|---|---|
| 10 | 36秒 |
| 20 | 18秒 |
| 30 | 12秒 |
| 45 | 8秒 |
| 60 | 6秒 |
| 90 | 4秒 |
| 160 | 2.25秒 |
10だと、1回転するのに36秒かかります。ほとんど止まって見えます。
これでは障害物になりません。 歩いて素通りできてしまいます。
ここからが本番です
では、いくつがちょうどいいのか。
決めるのはあなたです。 ここが今日いちばん大事なところです。
数字を変える → 再生する → 通ってみる → また変える。
この行ったり来たりが、ゲームを作るということです。1回で決めなくて構いません。何度でも試してください。
「くやしい、もう一回」と思う速さがいちばんいい速さです。かんたんすぎるとすぐ飽きられますし、むずかしすぎると投げ出されます。
気をつけること
1つだけ、落とし穴があります。
作った人は、遊んでいるうちに上手になります。
同じ場所を何十回も試すので、あたりまえです。棒のタイミングも覚えてしまいます。
自分にちょうどよくなったころには、はじめて遊ぶ人にはむずかしすぎる——これはよくあることです。
だから、だれかに遊んでもらってください。 友だちでも、家族でもかまいません。
どこで止まるかを、うしろから見ているだけで分かります。同じところで3回止まったら、そこは厳しすぎます。
自分が作ったものを人に遊んでもらうのは、ちょっと恥ずかしいです。でも、これ以上に役に立つことはありません。
2つで変えてもいい
回る障害物 は2つあります。同じ数字にする決まりはありません。
- 1つめは 30(練習)
- 2つめは 60(本番)
というふうに、だんだんむずかしくするのもいい作りです。遊ぶ人は「うまくなっている」と感じます。
逆向きに回してみるのも手です。片方を マイナス(-30 のように)にすると、反対まわりになります。2つのタイミングがずれて、歯ごたえが出ます。
こういう工夫に正解はありません。 自分がおもしろいと思うほうを選んでください。
おまけ:1行目のひみつ
スクリプトのいちばん上を見てください。
print("Hello world!")
これは、消し忘れです。
Hello world! は、プログラムを書く人が「ちゃんと動くかな」と試すときに、いちばん最初に書く決まり文句です。世界中で使われています。
この棒を作った人も、まずこれを書いて動くのを確かめ、そのまま消し忘れたのです。
プロが作ったものにも、こういう消し忘れは残っています。 きれいに作らなきゃ、と気負わなくて大丈夫です。
消しても動きは変わりません。気になる人は消してください。
うまくいかないときは
片方だけ速いまま — 回る障害物 は2つあります。両方のスクリプトを開きましたか。
さわっていないのにやられる — 棒は見た目より長いことがあります。カメラを回して、反対がわも見てください。
数字を変えても変わらない — 再生中に変えていませんか。第5回のとおり、停止してから変えてください。
まちがえて別の行を消した — Ctrl + Z で戻せます。
まとめ
- 回る棒はさわるとやられる。これまでの「落ちる」とはちがう
- 道順は回る床と同じ。でも中身は別のスクリプト
- 名前は小さい文字の
speed。もとの数字は 160 - 数字の意味がちがう。 回る床は「1回で回す角度」、棒は「1秒間に回る角度」
- だから 160のほうが50よりゆっくり。数字だけ見くらべても分からない
- 360 ÷ speed で、1回転にかかる秒数が出る
- まず 10 にして通れることを確かめる。棒は2つとも
- そのあと、ちょうどいい数字を自分で探す
- 作った人は上手くなってしまう。 だれかに遊んでもらう
次回は、最後の関門です。プールのような場所に、赤い球が転がっています。
これもさわるとやられます。しかも転がってくるので、よけるのが大変です。でも、直し方は今日までとまったくちがう手を使います。
