Tech Kids Grand Prix 2026に「Roblox賞」が新設!応募は9/30(水)まで
CreateR Nest
ブログ一覧へ
Roblox Studio

わざと壊してみる。極端な数字で正体を確かめる

動作確認日: 2026年9月9日(Roblox Studio 0.736

連載「アスレチック(オビー)を作ろう」の第15回です。第1回から読む

前回でゴールまでたどりつきました。ロブロックス(Roblox)のアスレチックは、これで完成です。

今日は、それをわざと壊します。

直ったのに、なぜ壊すのか

第9回から第13回まで、数字を変えて直してきました。

でも——本当に分かっているでしょうか。

「SPEEDを小さくしたら遅くなった」。それは分かりました。では、

  • 大きくしたらどうなりますか
  • 0にしたらどうなりますか
  • マイナスにしたらどうなりますか

すぐに答えが浮かばなかったら、まだ半分しか分かっていません。

極端にすると、正体が見えます

これは、プログラムを覚える人がみんな使う手です。

うんと大きく。うんと小さく。ゼロ。マイナス。

ふつうの数字だと違いが小さくて分かりませんが、極端にするとその数字の役目がはっきりします。

こわがらなくて大丈夫です。壊しても直せます。 それが、今日いちばん言いたいことでもあります。

まず、安全を確保します

実験の前に1つだけ。

前回保存しましたね。もう一度、実験用に別の名前で保存してください。

ファイル名前をつけてファイルに保存Ctrl + Shift + S

  • オビー_じっけん.rbxl

これで、何をしても完成したほうは残ります。 思いきりやれます。

実験のやり方

4つの手順でやります。2番をとばさないでください。

  1. 数字を決める
  2. どうなるか予想する(口に出すか、紙に書く)
  3. 変えて、再生して、見る
  4. 予想と合っていたか、確かめる

当たっても外れても、どちらでも収穫です。むしろ外れたときのほうが、よく覚えます。

回る床でためす

第9回で開いた、水色の床のスクリプトです。

スクリプトの設定部分。local SPEED = 50 と local WAIT_TIME = 0.02 が並んでいる

この2つの数字で遊びます。

#変えるもの入れる数字
1SPEED1000
2SPEED0
3SPEED-50
4WAIT_TIME1

予想してから、1つずつ試してください。

実験1:SPEED を 1000

1回で1000度回します。1回転が360度なので、1回で3回転近く。それを1秒に50回くり返します。

目で追えるでしょうか。

速すぎるものは、止まって見えたり、逆に回って見えたりすることがあります。扇風機の羽根や、走っている車のホイールでも起きます。そう見えるだけで、本当はすごい速さで回っています。

実験2:SPEED を 0

0度回す。つまり、回りません。

「そんなの当たり前」と思いましたか。でも、0を入れて確かめた人は、SPEEDが「1回で回す角度」だと本当に分かっています。

実験3:SPEED を -50

マイナス50度です。逆まわりになります。

第12回で「片方をマイナスにすると反対まわり」と書いたのは、これのことです。

実験4:WAIT_TIME を 1

待つ時間が 0.02秒 から 1秒 になります。1秒に1回しか回りません。

カクッ……カクッ……と、ぎこちない動きになるはずです。

第10回のパラパラ漫画で、めくるのが遅くなった状態です。

ここで、2つの数字の役割のちがいがはっきりします。SPEED は「どれだけ回るか」、WAIT_TIME は「どれだけこまめに動かすか」。 なめらかさを決めているのは後者です。

回る棒でためす

次は第12回の棒です。

スクリプトの5行目。local speed = 160 -- 1秒間に回る角度

こちらの speed1000 にしてみてください。

回る床を1000にしたときと、見え方がちがうはずです。

なぜでしょう。

単位がちがうからです。

1000を入れると1秒あたり
回る床1回で1000度 × 1秒に50回50000度
回る棒1秒で1000度1000度

50倍ちがいます。

同じ「1000」でも、まったく別の速さになりました。数字は、単位とセットでないと意味を持ちません。 第12回で書いたことが、ここで手ざわりになります。

動く床でためす

第11回の黄色い床も試せます。

動く床固定部PrismaticConstraintSpeed です。

  • 1 にしてみる
  • 1000 にしてみる

1000のとき、上に乗っていられるでしょうか。

第11回で「摩擦が連れていってくれる」と書きました。速すぎたら、その摩擦は間に合うのか。

予想してから試してください。 これはおもしろい結果になります。

直らなくなったら

あわてなくて大丈夫です。 戻す手は3つあります。

  1. Ctrl + Z を何回か押す
  2. それでもダメなら、保存したファイルを開き直す
  3. 最後の手は、もう一度ダウンロードする第1回にリンクがあります)

やり直せると知っていることが、思いきって試せる理由になります。

元にもどせない場所で実験する人はいません。だから、先に保存するのです。順番が大事です。

壊せる人は、直せる人

ここまでの連載で、あなたは直すことを覚えました。

今日は壊すことをやりました。この2つは、じつは同じことです。

どこをどういじると、何がどう変わるか。 それが分かっているから、直せるし、壊せます。

新しいゲームを開いて「これ、どうやって動いてるんだろう」と思ったとき。数字を1つ変えて、再生してみる。 それだけで、たいていのことは分かります。

これが、この連載でいちばん持って帰ってほしい道具です。

まとめ

  • 直したあとにわざと壊すと、その数字の正体が分かる
  • うんと大きく/0/マイナス——極端な数字が効く
  • 実験の前に別の名前で保存する。順番が大事
  • 予想してから試す。 外れたときのほうがよく覚える
  • SPEED は「どれだけ回るか」、WAIT_TIME は「どれだけこまめに動かすか」
  • 同じ1000でも、単位がちがえば50倍ちがう
  • 戻す手は3つ。Ctrl + Z / 保存ファイル / 再ダウンロード

次回は、ずっと後まわしにしてきたものを開きます。

「さわるとやられる」のは、どうやって決まっているのか。 棒にも、赤い球にも、足元の溶岩にも、同じ仕組みが入っています。